『石に梅咲く』こぼれ話と次回イベント参加について

こんにちはこんばんは、朝香です。
もう月が変わってしまいましたが、夏インテおつかれさま&ありがとうございました!
スペースにお越しくださった方、本を手にとってくださった方、ご感想やありがたいお言葉をくださった方、差し入れをくださった方…何もかもすべてほんとうにうれしいです。ありがとうございました!!😭

そして今回は2023年8月夏インテで発行した『石に梅咲く(Ishi ni ume saku.)』のこぼれ話です。
隠すほどでもないですが本文のネタバレというか内容に触れていくので、もしネタバレなしで本文を読みたい方は、お手数ですが本文をお読みいただいてからこちらを読んでいただけますと幸いです。

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【装丁について】


やっっっとはじめて表紙に箔押しできました。いつかぜったい門ボロ本でタイトル箔押ししてやるからな…と思っていたのですが、
私がもたもたしているうちに印刷所さんの技術があがり箔押しできるようになりました。すごすぎ。

今回利用したのはカッパー箔です。門のネクタイの色と合わせるつもりで選びました。
よく利用させていただく印刷所さんではまだ特殊紙への箔押しができないので、ひさしぶりに普通というか、標準用紙にマットPPです。いつか特殊紙に箔押しできるようになったらうれしいな〜と思います。ざらっとした手触りの表紙用紙が好きです。

【この本でしたかったこと】

  • 若ボロさんネタ
  • ボロさんと庭の梅の話
  • 失った右腕についての言及

●若ボロさんネタ


これは大昔に描いた若ボロさんのビジュアルについての考察なのですが、今見ても考えてることやってることほぼ同じで笑いが出ました。後述しますがとくに左下。

公式から若ボロさんのビジュアルの「正解」をお出しされる前に、思いついたこの若ボロさんネタを消化しておかなければ…!と必死でした。ひとりで。どういう不安?

そして若ボロさんを描くうえで問題になってくる箇所が複数あり、まずビジュアルですね。
マダラメや夜行ズのように髪はもともと白いのか、それとももとは黒く白髪になったのか。長さは?などなど。
はじめて発行した門ボロ本にも若い頃のボロさんを描きましたが、そのときは黒髪長髪タイプを採用しました。今回はこのイラストでいう中央の白髪タイプですね。

いやでも、今見ると黒髪長髪もいいですね!?ドキドキしてきた。しかし門と並べると色がかぶるので今回は白にしました。

あとは声…ボロさんのセリフのフォントは明らかに他のキャラクターとちがううえに傾きまでついてしまっているので、かなり特徴的な声なのだと思いますが、若いときからそうなのかどこかの段階で喉をやれたためそうなったのかなど、そこをどうするかも悩みどころでしたが今回は「若いときはふつうで、どこかの段階でなにかしらありああなった」ということにしました。なのでフォントも門やほかのキャラクターと同じです。

今回若ボロさんと今門を会わせるため、門にタイムトラベルしてもらいました。
庭木の話は、卵が先か鶏が先かのような話です。正直はっきりしなくてもいい、どちらでもいいと思っています。どちらでもないからこそどちらでもある。現代に戻ってきた門も梅を植えることにしたボロさんも、このときのことは覚えていないのでどちらでもあってどちらでもないお話です。

●ボロさんと庭の梅の話

ボロさんの庭には梅の木があって、その木に成る梅で毎年梅酒を作っている。という前提条件が息を吸うようにある弊サークル。なのでいつか梅の木と梅酒の話は何かしら作りたいと思っていました。

個人的にほかに実の成る木なら、柿の木、枇杷の木がボロさんちにあればいいなと思っています。ザクロもいい。あっ金柑!金柑おすすめです。時期をずらして年中なにかしらの旬があるのもいいですね。なにもかも口実になり都合がよい。

●失った右腕についての言及

私の作る話のボロさんと門は、基本的にすべて独立しています。ですが今のところすべてに共通しているのは「門はボロさんの右腕について知らない」ということです。
これはもちろん私が知らないのでかけないというのが第一ですが、固定しないことでさまざまな解釈ができるため都合がよいのでこうしています。

今回の話では「右腕はもともとあり、かつ本来そちらが利き腕だった」という設定にしました。

この若ボロさんは遠くない未来にその利き腕を失うことになると、門だけが知っています。門がボロさんとはじめて出会ったときにはとうになかったその右腕。門にとっては右腕のないボロさんが"己の知る間紙ボロ"であるため、右腕がないから他人より劣っているとは思っていません。「右腕がない」ということがもはやボロさんのハンデではないと知っているため。

なのでこの門は「右腕がある」状態のボロさんがのちにそれを失うという境遇を憐れむのは、不必要かつ無礼なことだと思っています。腕のないあなたは決してかわいそうなどではないため。

そしてかつてボロさんに右腕があったこと、かつそちらが利き腕だったということはこの門は知らないことでした。ボロさん本人やほかの誰からも聞いていないためです。

なのでこの門としてはボロさんの過去を「覗き見」してしまった感覚があり、この状況が事故とはいえ本来ならば今の己には得られるはずのない情報を得てしまったため「これは私が、このような形で得ていいものではない」とさせました。

どこにも書いていないし描写もしていませんが、このあとの門はあまりボロさんの右腕を見ないように意識しています。という裏設定。見ない、そして考えないように。

【その他小ネタ】

●タイトルについて

タイトルの『石に梅咲く』は『石に花咲く』のもじりです。
『石に花咲く』は「現実には起こり得ないことのたとえ」「ありえないこと」という意味です。
ことわざや慣用句の使用、もしくはそれらのもじりでタイトルをつけるのが好きなためよくします。
「朱が奪う紫」も「間の狂言」もこの系譜です。

●門の敬語

私は門がボロさんに対してやりすぎ、回りくどい、というくらいの敬語を使っているのが好きなのですが、序盤のほうのまだ若ボロさんが御大だと気づいていないときのふたりの会話で門が「それがあなたのもっとも欲しかったものですか」と言っているところ、相手がボロさんだとわかっている場合ならば「〜ものでございますか」にしています。このときはまだ相手が御大だとわかっていないので「〜ですか」どまり。
のちの紫陽花のシーンの「そうでございますね…」も、もし相手がボロさんでなかったり御大だと知らない場合は「そうですね…」になります。細かすぎる。もはや誤差か表記揺れレベルのこだわり。

●いれたかったセリフ(言葉)

門がボロさんの右腕について考えるシーンにいれた「言えるはずもなかった」は私の好きな曲の歌詞の一部でもあるのですが、いつか使いたいと思っており今回使えそうだったのでいれました。
こんな感じでいつかどこかで使いたい、というセリフや言葉がけっこうたまっていて、使えそうなシーンがでてくると「今や!!!!!!」と牛歩ながら消化していっています。いつ終わるんやこのビンゴ。

【次回のイベント参加について】



次のイベント参加は来年3月のライアジin大阪だと言ったな…あれは嘘や。
すみません申し込んでしまいました。次回は11月23日のスパコミを予定しています。東京!!?ビッグサイト!!?ビッグサイトのイベントに出るのははじめてです。もういまから何もかもが不安!!



いまのところ新刊は「よく食うちゃんみだとよく作る丈一 ベトナム編」を間に合えばもっていきたいなと思っています。が、なにこれこんなに大変でした…?よう描いたなモンゴル編…と思うくらいめちゃくちゃ時間かかりますねこれ。ウッソでしょ。別の原稿の合間に息抜きとして同時進行するのがいいタイプの原稿みたいです。
そしてこのシリーズでいつかチョコミントカラーの表紙にしたいな〜と思い今回してみたら、エビの色が悪すぎて笑う。モンゴル編の赤と並べて頒布したいです。

あとたぶんがんばれば門ボロ新刊だせそうなんですけど、そうすると3月が厳しすぎるのと次出す門ボロ本は短編集の予定なので入れたいネタ詰められるだけ詰めたいため、スパコミでは門ボロ新刊おやすみです。もういいよ既刊が山程ある。これで4匹めの子豚の家を建てよう。


ということで次回は11月!!もし当日イベントにご参加される方がいらっしゃいましたら、よろしければよろしくお願いいたします〜!!

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